ある月刊誌で読んだ、助産師さんの言葉が深く心に残りました。
ぜひ、シェアさせてください。
その助産師さんはこう言っていました。
「目の前に子どもがいるということを、当たり前だと思わないでほしい」
「『ママ、大好き!』って甘えてくれる、その瞬間が奇跡の重なりなんです」
その“奇跡”の意味を伝えるために、彼女はあるお母さんの「死産」の話を語っていました。
予定日前日に、赤ちゃんの心音が止まっていた
そのお母さんは、出産予定日の前日、
「赤ちゃんが動かない」と病院に駆け込んできたそうです。
エコーで確認すると、赤ちゃんの心臓はすでに止まっていた──
まだ生まれていないのに、命はもう失われていたのです。
亡くなった赤ちゃんをお腹に抱えながら分娩にのぞむ。
「頑張れば元気な赤ちゃんに会えるよ」なんて声もかけられない。
分娩室は静まり返り、お母さんの泣き声だけが響いていたといいます。
「一晩だけ一緒に寝てもいいですか?」
出産後、お母さんは赤ちゃんを胸に抱いて、こう願いました。
「一晩だけ、一緒に寝てもいいですか?」
看護師さんが夜に様子を見に行くと、
月明かりの中、お母さんは赤ちゃんを抱いて座っていました。
そして、こう言ったそうです。
「いま、この子におっぱいをあげていたんですよ」
お母さんは、じわっとにじんできた母乳を指でそっとすくい、
赤ちゃんの口元に運んでいたんです。
飲めないとわかっていても、
「飲ませてあげたい」――その気持ちは、愛そのものだったと思います。
当たり前じゃない日常に、気づかされる
赤ちゃんが亡くなっていても、お母さんにとってはかけがえのない宝物。
生きていれば、なおさらですよね。
夜泣きが続く日々に、「もう、うるさいな……」と思うことがあるかもしれません。
でも、それも全部、「今、生きてそばにいてくれるから」こそなんだと、
この話を読んで強く感じました。
助産師さんは、母親学級でこのエピソードを話すと、
涙を流すお母さんがたくさんいると言います。
でもその涙は、やがてこういう気持ちに変わっていくそうです。
「私も頑張ろう」
「おっぱいをあげられるって、幸せなことなんだな」
そうして、母性のスイッチが静かに入っていくんですね。
出産って、命がけ。
命を生み出すって、奇跡。
この話を通して、「今、わが子がここにいる」ということの尊さを、あらためて感じました。
忙しい毎日の中で、ちょっと忘れそうになるこの気持ちを、大切にしていきたいです。
コメント